残り1つのアルフォート

 

アルフォートミニチョコレート
内容量 12個
カカオの味わい深いミルクチョコレートと香ばしい全粒粉入りビスケットを組合せました。
全粒粉の香ばしさと絶妙なおいしさのミルクチョコレートをお楽しみください。*1

 


僕が小学生だったころの話。

あるとき担任の教師Sが息子の自慢をした。
AO入試?なる制度で東北大学に合格したらしい。
当時は大学の格など知る由もなく、中年のおっさんが何か言ってるな~という印象だった。

「小学校が終わって、中学校、高校なんてあっというまで大学受験まですぐなんだぞ」
こんなことを言っていた記憶がある。

大学受験は失敗したら死ぬしかないもの、と考えていた9歳の僕にとってはある種の死の宣告のように聞こえた。

まあ、今となっては東北の片田舎、廃校寸前の小学校でたった11人相手に何を言ってんだという話だが。


その死の宣告から15年になろうとしている。
大学受験に成功したとは口が裂けても言えないが、いまだに生きてしまっている。


何をしても、あるいはしなくても時間は流れるらしい。
ただただ時間が早く過ぎ去ることを望んだときもあれば、その逆もあった。


無限のモラトリアムに思えた6年間も遂に最後のアルフォートになってしまった。

明日には来春からの"お勤め"先が決まる。

大学に入りたての頃、こんな話をした。

「浪人しても精神的な成熟は進まない。どころか退行さえする。」


6年もぬるま湯に浸かっていると、高校時代の友人の成熟を感じることがある。
新たな環境に身を置くことで、脱皮をするように人は成熟すると私は思っている。

6年も使った皮を脱ぐにはかなり無理が要ると思う。正直怖い。

モラトリアムが終わるまであと5か月。

やりたいことをある程度やって、振り返りたい過去を増やしていきたい。
すがる過去は多ければ多いほどいいので。



追伸:
担任のSは数年前に児童の保護者と不倫して免職処分になっていた。
マイケルジャクソンの物まねが好きな男だった。

 

*1:ブルボン アルフォートの公式サイトより引用。