6年ぶりにこの街を歩く。
21:02発の東北本線北上行きが6年前の僕の門限だった。
門限から解放されて夜の街を痴呆老人が如くうろつくのが今の僕の娯楽。
城下町特有の入り組んだ路地、城跡の堀に囲まれたヤニ臭い飲み屋街、閉店セール中の古本屋で本を買う。
今日は日に焼けた『人間失格』を買った。
どこかの学校の蔵書だったらしく、背表紙には貸し出し用のバーコードが貼ってあった。
深夜でも珈琲を淹れてくれる喫茶店が多いという点でこの寂れた地方都市を気に入っている。
いい加減アルコールに身を預ける暮らしを抜け出したいのだ。
陽気に浮かされた大学生の高笑いがノイズキャンセリングを素通りして読書を邪魔してくる。
記憶がある夜の帰り道はいいものだ。
カフェインに浸りながら気取った文章を書く。
あとで見返したらこっぱずかしくて消したくなるんだろうな。
消さないためにTwitterではなくこちらに書く。
書く頻度を上げたら文章力つくのかな?