先日、アマゾンプライムにて「かげきしょうじょ」のアニメを一気見した。
正直に言うと、泣いてしまった。
あらすじに関してはネタバレに配慮して詳細を省くが、おそらくTKRDK歌劇団を目指す少女たちの物語である。
フォーカスの当たるキャラクターはみなそれぞれ持ち前の「才能」や「生まれ」を評価された状態で作中に登場する。
十数倍の倍率を超えた先で待つのは、舞台の主役数人を決めるための競争である。
各々が才覚を持つのはある意味前提で、そのうえで努力を強いられる。
まるでジャンプ連載作品だ。
この世の縮図だ。
浪人を繰り返し、やっとの思いで合格した生徒も大半はモブだ。
あまりにも現実感がありすぎる。この時点でしんどい。
でも、現実ってこうだよな。
多少持ち合わせがあったところで、結局手に入るのは参加権だけでそれ以降は全く保証してくれない。
今年のM1でも似たようなことを感じました。
自分は金属バットを応援していました。
もともと好きなコンビではあるのですが、コロナのおかげか、劇場公演が配信されていることを知り、よく見るようになりました。
インターネットによくいる「痛いファン」ってやつですね。
参考:2021 M1グランプリ 3回戦
ここ数年準決勝の壁に阻まれ悔しい思いをしていました。
大衆の人気・知名度も伴ってきた去年の敗者復活戦ではトップバッターを引いてしまい、敗退。ネタ順の重要性を感じました。
満を辞して迎えた2021準決勝、ウケ量は十分に感じましたが彼らの名前は呼ばれることはありませんでした。
勝手に私が落ち込みました。自分のことでもないのに。
例年は悔しい思いを隠して飄々としているご両人が、2021年はクジを引く練習をしたり、募金をして徳を積んだりしていました。
神頼みすら厭わない本気の姿勢を感じました。
12月19日の出順抽選、16組中14番目。
尻上がりに視聴率の高まる敗者復活戦において、非トリかつかなり後半の出順です。
これはいける……!!
クジを引いた後の友保のガッツポーズが印象的でした。
ツカミで完全に空気をものにし、過去に煮湯を飲まされたネタ「早口言葉」で勝負したご両人。
ネタ終了後に僕は勝利を確信しました。
ウケ量も十分、今年は人気だってある。
決勝でランジャタイ、真空ジェシカといった地下の匂いが漂う芸人たちとの戦いが観れるとワクワクしました。
モグライダー、ランジャタイ、ゆにばーす、と会場が熱を持ち始め、ここで敗者復活組。
視聴者投票のtop3が壇上へ。金属バットもその中に。
このときの私含めた「痛いファン」たちの高揚感といったら。
しかし、審査員の前で漫才をしたのは別の芸人でした。
ご両人は2位。2.5万票差でした。
結果が出たときにカメラに背を向けた友保の姿。
涙が滲みました。
それ以降の本戦は半ば魂が抜けたような状態で眺めました。
オズワルド、錦鯉はそれでも面白かったです。
錦鯉、優勝おめでとうございます。存分に売れてください。
タイムオーバーであったり、本戦での自己満ネタについて思うところはあります。
しかし、あくまで視聴者投票というルールに則った結果です。
レース、勝負は結果が全て。
今年でより知名度も上がったことでしょう。
インターネットひねくれ人間を虜にしながら突き進んでくれ。
来年こそは、ラストイヤーこそは、屋内スタジオで物議をかもしてほしい。
以上「痛いファン」のお気持ちです。
当然、色々な芸人がいれば色々な痛ファンもおり、報われた芸人もいればそうでないものもいる。
ファンってやつは気が楽だ。
他人の努力にフリーライドして勝手に気持ちよくなっている。
(ホストに貢ぐために風俗勤めになる女は努力しているファンだとは思う。)
自身の努力と「報われ」について。
「報われ」ってなんでしょうね。
僕は個々人の損益分岐点だと思ってます。
各々の「益」ってやつは主観に基づいて決まるので、目標が高ければ赤字続きかもしれません。
そんな中でも微益を拾って、次に回していかないと赤字のままですわ。
通算が黒になった瞬間が「報われ」なんだと思うようになりました。
綺麗な話はここまでにしておいて、
正味な話、一生だらだら酒飲んで、退廃気取ってプラプラしてたいだけなのにね。
同調圧力に屈してやりたくもない方向の努力するのって最悪よね。
あれこそ何も報われがない。
みんなもお正月はだらだら過ごそうね。
よいお年を。